第6回地方セミナー開催報告

 倉敷中央病院 総合周産期母子医療センターの渡部です。平成26420日(日曜日)の午後、倉敷中央病院の大原記念ホールで、日本周産期精神保健研究会第6回地方セミナー倉敷 を開催致しました。

 

 この度は本地方セミナーとしては初めての試みとして、グループ・ワークを行いましたので簡単ではありますが、ご報告致します。 

 この度のテーマは「出生前診断」でした。まず、「当院で経験した妊娠を機に判明した母児遺伝症例」の2症例の報告を致しました。2症例ともに筋緊張性ジストロフィーです。まず、過去に経験した、出生前診断が付かずそのまま亡くなられたお子さんの報告をしました。続いて、出生前から筋緊張性ジストロフィーが疑われ、出生前後を通じて複数の診療科・多職種が関わった症例です。主治医、看護師、作業療法士、臨床心理士、医療社会福祉士から、それぞれの母児への関わりについて報告しました。その後2つの症例に関して、各職種ごと10名ほどのグループに分かれてグループ・ワークを行いました。当初、異なる職種で一つのグループを形成しようと考えましたが、初対面の方々で話に弾みを付けるためにも敢えて同じ職種の方々に集まって頂きました。この読みは当たり、同じ職種と言うこともあり、最初は話しの糸口が掴めなかったグループも一度会話が弾むと留まることなく、話題は症例に関することだけでなく自験例やそれぞれの職種の考え方、スタンスなど多岐に及びました。その後、各グループから代表の方に発表をして戴きました。グループ・ワークの時間は40分だったこともあり、最後はどのグループも話がヒートアップして、その後のアンケートでも、「時間が足りなかった」と言うご意見や、「やはり他の職種の方とも話をしたかった」とのご意見を多数頂戴致しました。 

 グループ・ワークの後は広島大学産婦人科・臨床遺伝専門医、兵頭麻希先生による新型出生前診断(NIPT)によるご講演でした。私自身、NIPTが何たるかを詳細には知っていないことに気付かされ、また遺伝カウンセリングの重要性を改めて認識させられるご講演で、アンケートでも評価が高かったです。 

 

 この度は、日曜日午後の開催となったにも関わらず、岐阜、東京、福島など遠方からも多くの方にご参加頂きました。グループ・ワークと言う初めての試みではありましたが、小さな成果はあったものと自負しております。地方セミナーがさらに広がり、多職種で多くのディスカッションができる場となったらと祈念しております。 

 短いですが、第6回地方セミナーのご報告まで。

      

第6回地方セミナー in くらしき

第6回地方セミナー inくらしき  このセミナーは終了しました
テーマ:出生前診断
日 時:平成26年4月20日(日)  12:30~15:30(受付 12:00〜)
会 場:倉敷中央病院 大原記念ホール
内 容:
        事例検討『妊娠を機に判明した遺伝症例』   

        講演:(仮)新型出生前診断(NIPT)について
             広島大学産婦人科講師・臨床遺伝専門医 兵頭麻希 先生
参加費:1,000円 
*参加される方は申し込み用紙にご記入の上FAXまたはメールにてご返送ください。

*なお参加者は、日本周産期新生児医学会専門医制度認定単位2単位が取得できます