周産期新生児医療の目標は、医療を受けたこどもと家族が幸福な社会生活を送るところにあります。それは、こどもに後遺症や障がいが残る場合も同様です。たとえ赤ちゃんが亡くなってしまう場合でも、かけがえのないいのちとして尊重され、家族のケアが重視されるなら、悲しみは生きる力につながります。

こどもと家族の幸せを支えるためには、医学的アプローチに加え、精神保健のアプローチが重要です。成長・発達し、常に変化していく赤ちゃんと家族の関係性を重視し、赤ちゃんと家族をはじめ周産期に関わるすべての人のこころの健康を支えることが、周産期精神保健です。周産期新生児医療の場では、すべての赤ちゃんと家族がこころのケアを必要としており、赤ちゃんと家族の生まれ育っていく過程を支えていける場であることが求められます。周産期に適切なこころのケアが行われるなら、産後うつ病や乳幼児虐待の予防にもつながると考えられます。

今、周産期・新生児医療の場には、周産期精神保健の側面から見てさまざまな課題があります。例えば、妊娠中からの母親と家族への心理的サポート、NICUにおける赤ちゃんへの発達援助・家族の心理的状態のアセスメントと支援・赤ちゃんと家族の関係に関するアセスメントと支援、NICUという場・スタッフへの心理的サポート、亡くなっていく赤ちゃんと家族へのケアとサポート、NICUを退院したこどもの発達アセスメントと支援、およびNICUを退院後の家族の心理的フォローアップ等が挙げられます。

周産期精神保健は、医師・看護師・助産師に加えて臨床心理士・ソーシャルワーカー・理学療法士・保育士など多職種のスタッフによる連携の上にこそ成り立つものです。このたび、周産期・新生児医療の場に携わるさまざまな職種の人々が集い、赤ちゃんと家族が生まれ育っていく過程への支援のあり方を研究・実践することを目的に、「周産期精神保健研究会」を設立いたします。

 

平成211130

 

周産期精神保健研究会発起人代表

側島久典

 

発起人(敬称略、五十音順)

板橋家頭夫、稲森絵美子、入江暁子、岩山真理子、氏家二郎、及川郁子、大城昌平、

岡田由美子、金沢忠博、加部一彦、北島博之、楠田聡、久保実、窪田昭男、笹本優佳、

佐藤和夫、関和男、高橋脩、高橋尚人、田村正徳、永田雅子、沼田直子、野田知子、

橋本洋子、廣瀬たい子、廣瀬幸美、船戸正久、堀内成子、堀内勁、本城秀次、宮崎清恵、渡辺とよ子、渡部晋一